
1995年(平成7年)阪神・淡路大震災以降、多くの未曾有の天災からの避難時における排泄、排泄に関してさまざまな問題がクローズアップされております。下記に基本的な排尿管理についてご案内いたしますので、各家庭での備えの参考になさってください。
被災後のトイレ問題
災害時に困ること 市民意識調査
災害時に困ること 市民意識調査では、飲料水・食料の確保、生活用水(トイレ、洗面、掃除など)の確保がそれぞれ71.5%、82.5%と高い値を示しております。また、災害時になくて困ったものには、生理用品、ウェットティシュ、オムツ、簡易トイレなどが含まれています。
どれだけ水分は必要?
災害が起きたとき、必要最小限の飲水量はご存知ですか?大人(体重60キロ)で、1日3リットル3日分が必要とされています。すごい量ですね。
仮設(簡易)トイレは和式が主流
仮設(簡易)トイレについて 洋式はほとんどなく、ましてや障害者用は皆無です。支援物資もオムツは幼児用ばかりと問題が山積みです。8000回使用可能といわれている汲み取り式の簡易トイレも、絶えず便をとらないといけない、バキュームカーも来れるかどうかわからず、実際は100回くらいしか使用できないこともあります。また、簡易トイレは、組み立てに15分、一人では運搬不可能といった問題もあります。
仮設(簡易)トイレはいつごろ設置される?
仮設トイレの設置まで約3日を要します。しかし、それまで手持ちのトイレでしのがなければいけません。主な問題として、今の若い人は和式で用を足せる人が少ない、水洗でないとトイレでないと思っている人が多い、医療従事者は人の目や白衣が気になり、トイレで並びにくいなどの問題が挙げられます。
断水しててもトイレがつかえる?
災害が起きて直後であっても、家庭用トイレは断水していても配管がこわれてさえいなければ、水分は流せることはご存知でしたか?ただし、袋には大便を、拭く紙は別にすることで、少量の風呂の残り水などで流す工夫をしなければいけません。また、既存のトイレに被せるだけで、誰でも簡単に使うことができる防臭・静菌・固化成分が一体化した緊急トイレ用商品も市販されていますので、備蓄しておくとよいでしょう。
オムツを利用しては
1日8回以上(頻尿)、汚いトイレでは用が足せない、介助がないとトイレにいけない、洋式でないと無理など、場合によってはオムツを利用してもよいかもしれません。
災害で問題になる健康不安について
トイレの問題、(排泄;尿路感染症、伝染病) 不安(うつ病、アルコール依存症) 運動不足(高血圧、関節障害) 避難所生活:共同生活(睡眠不足)、寝具(腰痛)、マスク、洗面、歯磨きなどによる肺炎です。
排尿(排泄)管理は重要な問題
自己防衛のためにも地域全体で備えを
やはり排尿(排泄)管理は重要な問題です。職場や家庭近くのトイレを考え、共同購入について検討いただくのもよいかもしれません。また、仮設(簡易)トイレの整備(美)や拡充、平時でも使えるエコトイレや大人用オムツの配備など、行政へも衛生面での必要性を問わなければなりません。