尿漏れでお悩みの女性の方へ、バイオフィードバック外来をご案内いたします。
尿もれがあったら、まず何するの?
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ワー困った!年寄り扱いされるのはイヤ!と感じますよね。でも、落ち着いて。
以下の点について、整理してみましょう。
いつ、どんな時、どんな体勢で漏れるのか(腹圧がかかった時なのか、じっとしている時なのか、は特に大事)
・尿意の有無・残尿感の有無
・漏れの量・漏れ方(時々大量なのか、じわじわ漏れるのか、寝ている間は大丈夫なのか…など)
・トイレ環境(大家族で、トイレを待つことが多い、トイレが遠い、違う階にある・・など)
・どんな水分の取り方をしているか(脳梗塞の予防で、寝る前にタップリ飲んでいる、など)
→飲水量(食事や内服時の水分を含めて)と排尿量、排尿間隔などを排尿日誌として記録してもらうと、よくわかります。・嗜好品やカフェイン(コーヒーや紅茶などにふくまれています)、大量の野菜や果物(カリウムが沢山含まれ、尿量が増える)を摂っていないか。
・日常の姿勢(重いものを持つことが多い、しゃがむことが多いなど)
・排泄時の姿勢
・仕事や趣味
・疾患との関連性
・ストレス要因 ・・・・・・・
等々を整理してみて、尿漏れを悪化させる要素がないのか、確認することが大事です。これらの何が影響しているかを推察し、改善に向け働きかけることが生活指導(推奨レベルA)として、とても大切な治療の一環なのです。生活を改善するだけで症状が軽くなるケ-スも多いです。是非、専門家や医師に相談してください。
骨盤底筋訓練[体操]
骨盤底筋体操は、尿失禁などに薬物を使わず、手術も避けながら、治療できる方法として、女性下部尿路症診療ガイドラインにも、推奨レベルA(強く勧められる)として、広く行われてくるようになりました。
やり方のポイントは
- 骨盤底筋群を意識しながら、膣や肛門を締める訓練
- 思いっきり締めて緩める(ギュー ユルー)➡遅筋繊維の強化
- 瞬間的に思いっきり締めて緩める(ギュっ パッ)➡速筋繊維の強化
- 改善が自覚されるまで4~6週間かかる
しかし、体操を行うことにより、かえって症状や状態が悪くなるような骨盤内の病気の合併症もあります。体操前に診察を受け、骨盤底筋体操が適応かどうか判断を受けてから行うことはとても大切です。
体操を効率的に行うには、鍛える骨盤底筋のことを理解し、収縮や弛緩を上手に行うやり方の指導を受けることが必要です。骨盤底筋の動きは、感覚をつかむことが難しく、内転筋や臀筋あるいは腹筋を収縮させてたり、収縮でなく努責をかけ逆の動きになるような間違った体操では効果がなく、症状が却って強くなる恐れもあります。このような誤った体操を避けるためには、医療従事者の指導の下で、膣や肛門周囲の筋肉がきちんと動いているかを確認してもらいながら練習するフィードバック療法、筋肉の動きをエコーの画像や、筋肉の力を数値化したもので知り、それを練習に役立てるバイオフィードバック療法があります。
当院では
当院では、専任の看護師が患者さんごとに、生活指導に加え、触診、腹部エコ-(骨盤底筋群収縮による膀胱底部の動きや腹筋の代償収縮による子宮の下垂などをみます)や、Mizcure(骨盤底筋群の最大筋力と持久力を実際の数値で評価します)を用いて、それぞれに合った個別指導しています。単なる筋力強化だけでなく、タイミングよく骨盤底筋群を収縮できるような練習も必要です。
バイオフィードバック外来の料金は、3回セット(始める前と1-2か月後の効果を見るための復習;それぞれ約1時間半)で6000円(+税)です。