血液透析
hemodialysis
血液透析治療について
残念ながら腎不全になってしまって透析をやることになった、
けれども「元気でいられる期間をできるだけ長くしたい」を目標が、当院の治療目標です。
体内に蓄積される老廃物をより多く除去するためには、透析量(時間と血流)を増やす必要があります。
しかしただでさえ通常の透析は4時間と長く、さらに長くすることはとても辛くて大変だと思います。
しかし当院では平均で約20分の透析時間延長と血流を平均で(通常200ml/分を280ml/分と)1.4倍にすることで、
理論上は、老廃物を1.5倍多く除去できる透析を提供しています。
この多めの透析量により体内に蓄積される老廃物異物がより多く除去され、元気でいられる(エネルギーコンディション)状態が期待されます。
体内をきれいな状態に保ち、より長い期間、健常人に近い状態を持続できる(タイムインベストメントな透析)手助けができると考えています。
その結果として、全国平均に比べて、当院の患者さんでは良好な生存率が残されています。
透析時間や血流量を増やすだけではなく、透析に関連する合併症や他の病気に対する早期発見にも力を入れています。
透析患者さんの状態に関しては、透析毎の回診に加えて、最低年1回は、腹部エコーで内蔵の状態を評価しながら、
最近の体調変化などを透析に関連することを面談しながら入念にチェックしています(ハイクオリティ)。
透析患者さんの管理で、大切な基礎体重は、尿が出ないため、痩せたり太ったりの評価が難しいと言えます。
月1回のレントゲン検査と月2回の血液検査での体内の水分減少率、体液量を測定する検査での浮腫率、
心臓に戻ってくる下大静脈の太さから体液量を推定するなど総合的にデータ評価して、
患者さんの血圧変動をできるだけ安定させるような工夫をしています(ハイクオリティ)。
看護師二人一組で足のつめの状態や変形、足裏の状態などを、患者さんの足の血流状態(脈波検査)の結果に基づいて、
普段からのケアを指導しています(フットケア)。
血圧低下が少なく、アミロイド除去に優れたオンラインHDF(血液透析濾過)を積極的に行っています。
現在は約80%の患者さんが行っています。特に痒みの強い方には、とても効果的です(アドバンス)。
シャントの状態もベッドサイドでのエコー検査を定期的に行い、穿刺の失敗を減らす努力をしています
合併症で入院での治療が必要となった際も、症状が重くなったり、市内の総合病院と密接連携して治療を行います。
共同診療=オープンシステムを利用して、入院中でも当院の医師が、病院まで診察に行くことも積極的行っています(インテンジブ)。
元気でいるためには、日々の運動が大切だというのと理由から、ベッドで寝ている透析中に短時間行う運動療法は、
聖隷クリストファー大学理学診療科の協力で行っています。
残念ながら、当院では通院のための無料送迎はしておりません。
頑張って自分の足で歩いて通院することが、大切なリハビリだと考えているからです。
自分の足で移動することは疲れるし大変ですがが、筋力低下を防ぎ、
元気な状態でいられる期間がその分長くなるからです(タイムインベストメント)。
もっと元気で生活を過ごしたいと言う方には、腎移植(院長が前任の浜松医大泌尿器科勤務時代に、
腎移植治療に従事)も積極的に勧めています(過去10年間で6人の方が腎移植をされています)。
定期的な検査も病院からの依頼で行っています。
■透析時間
昼間 | 夜間 |
---|---|
8:30〜14:15 | 17:00〜22:30 |
スタッフ教育に力を入れていること
月一回の勉強会で、使用する薬剤の勉強を行い、透析技術の向上を図っています。
スタッフのモチベーションを上げるための色々な工夫を行っています。
学会などの参加も金銭的なサポートをしっかり行っています。
患者さんの状態で判断に困った時も、全員がまとまってのチーム医療ではありますが、
スタッフをいくつかの班に分けて、すぐにその小さな班で相談できるようにしています。
様々な悩みを抱える透析患者さんのケアをするためには、
その相手をする看護師や医療スタッフも心理的なストレスが多くなります。
そうした面の配慮としてスタッフのメンタルケアを外部業者に依頼して定期的に行っています。
また国の推奨する年間休暇日数は120日ですが、それを超える140日程度の有給休暇を使ってもらい、仕事のストレス軽減に役立てています。
TREATMENT
診療科目
からだに優しい診察、治療を心がけております。無駄な検査、投薬を行わないようにしております。既に他院にて行った検査結果などがございましたら ぜひご持参下さい。また、セカンドオピニオンも対応させていただいております。
治療に対する不安や不信な点があればお気軽にご相談下さい。